最後の対面

通夜へ行った

たくさんの人が来られていて
駐車場へ入るのも
焼香するのも時間がかかった

12月に肉腫が発覚してからは
抗がん剤の治療で
髪が抜けて、気持ち悪いって
尿道に管も通されて
もう寝たきりのお年寄りみたいだよ
なんて言っていたものの
話せる元気はあった

でも2月に入り
肉腫が転移していたため
痛みと苦痛で
モルヒネを使用するようになってからは
一気に痩せて、

私がお見舞いに行った時は
起きているのが精一杯の状態になっていた

肉腫は発見が遅れやすくて
そして稀なものらしい
だから最初は子宮筋腫という
診断を受けてしまうらしい

彼女は最初は子宮筋腫の手術のつもりでいたんだけど
生理の異常で
大変な貧血になっていたため
すぐに手術を受けられなかった

貧血をある程度改善してからでないと
手術に耐えられないからと、
毎日鉄剤の注射を受けていた

その間にも体重は落ちて
早く手術したい
すぐ疲れるって言ってた

子宮筋腫だと思っていたし、
生理も年齢的にもうじき終わるから
生理が終われば筋腫も小さくなるからと
辛いけどしばらく我慢しようという感じだった

それが落とし穴になっていた

子宮肉腫は
普通の婦人科検診ではなかなか発見できないらしい
がん検診をきっちり受けて
ようやく発見できるんだって
でも進行が早いから
子宮筋腫だと診断されることが多いため
肉腫だとわかった時には手遅れって事もあるらしい

生理の異常は
本当に用心しなければいけない

彼女はがん検診もちゃんと受けていて
生理の異常に対しても
きちんと婦人科へ通って
ホルモンの注射打ったりして
対応していた

なのに
こんな結果になってしまった

お見舞いに行った私へ
がんばれって繰り返し言ってくれたのは
きっと彼女は
私へ取っていた態度を
わかっていたんだ、と思った

やっぱりお見舞いへ行って良かった

いろんな出来事は
健康であるからこそのものが多いと思った
そう思えば色々ないやな出来事も
自分の糧にしたいと改めて思った

帰りにお顔を見て行って、と言って頂き
安らかに眠る
彼女にまた会いましょう、と声をかけ

最後は
ありがとうございましたって
挨拶させていただいた